社会の中でのデザインの実践

人の営みを支えるデザインは、美術品のような空想的なかたちを創ること、また、合理性というひとつの観点を追求した技術的解決を行うこと、そのどちらでもないと考えます。その昔、岩国の錦帯橋、熊本の通潤橋、熊本城の石垣など、技術と美しさは不可分であり、同時に社会の中での役割・機能の結果生まれた「かたち」でした。私たちは、デザインを社会・時代の中での適正な「かたち」の探求であると考えます。

ネイ＆パートナーズジャパンでは、ブリュッセルオフィスと連携しつつ、技術的・構造的アイデアを伴ったデザイン提案を基本としています。従来の設計過程のように、意匠（美）と構造（技術）が役割分担されるのではなく、統合されたひとつの解として結実させることでプロジェクトのニーズや要求に相応しい適正なデザイン・アイデアを提供していきます。

時間を超えるデザイン、プロセスの共有

技術的挑戦によるかたちによって時代を表現し、プロセスの中で生まれた物語、施工時の祝祭性の演出などを通じて生まれた愛着の醸成によって完成後も市民の継続的な関与へとつなげることができます。それは維持管理を視野に入れたデザインの可能性を生み出します。合意形成ではなく共感によって現代の建築が時間を越えて共有され得ると考えています。

構造・産業・感性の空間実践

100 年という時間軸に耐えうる建築には、多領域に渡る思考を統合する必要があります。意匠、構造を統合するだけでなく、製作工場との連携や商流のコントロールを行うことで、製作・施工に関わるプロセスのアップデートが可能となります。その結果、高品質の設計・デザインを通常の設計内容と同等のコストで実現することができます。

私たちが得意とすること。

1. 合理性を伴った設計・デザイン

構造材がそのまま表現になる（仕上げが不要）ことや、構造合理化によるコスト削減などによって獲得した予算を、空間の質に回すことを可能にします。

2. 要求に対する解＝かたちを提案

打合せやワークショップなどを通じて、方向性の議論を行い、そこで設定した条件を満たす答えとして生まれるかたちを提案します。

3. 力の流れに沿った設計・デザイン

構造力学から発想されたかたちは、合理性を持ちます。機能上の制約を共存させながら、シンプルなかたちにまとめ上げる設計・デザインを行います。

4. 住民・地域との接点を作る

工事期間中の仮囲いや地域説明会を通じて、地域の方々と楽しみながら、事業そのものの理解を深めてもらう仕掛けを用意します。例えば、架橋そのものを街のイベントとして楽しむよう企画します。持続的関与を生み出すプロセスのデザイン・計画づくりを地域と共に行います。

5. 歴史的な風景の中でのデザイン

世界遺産、国指定史跡内での橋の架橋、構造物のデザインを数多く手がけています。特殊な条件に合わせた技術提案を行うことが可能です。

6. 大空間、大スパンの構造

大空間および大スパンの構造物に対する技術提案を行うことができます。

7. 製作・施工・維持管理を考慮したデザイン

製作・加工工場との連携と、欧州含めた過去の現場実績・経験から、合理的かつ経済的なディテールの提案を得意としています。維持管理に関しては、シンプルで汚れが溜まりにくいデザインで、意匠性との両立した提案を行います。

-ローラン・ネイ　Laurent NEY

（ULg, Liège, Belgium 1989; RWTH, Aachen, Germany 1989）

-渡邉　竜一　Ryuichi WATANABE

（東北大学大学院2001年修了、工学修士）
法政大学都市環境デザイン工学科専任講師
秋田公立美術大学特別講師

-岡田　裕司　Yuji OKADA

（早稲田大学大学院2012年修了、工学修士）

-池邉　慎一郎　Shinichiro IKENOBE

（東北大学大学院2016年修了、工学修士）

-津賀　洋輔　Yosuke TSUGA

（筑波大学大学院2008年修了、工学修士）

-赤阪　健太郎　Kentaro AKASAKA

（東京理科大学2016年卒業、工学学士）

-志田　悠歩　Yuho SHIDA

（芝浦工業大学大学院2010年修了、工学修士）